今月のおすすめ野菜

コリアンダー

味や香りに強烈な個性を持ち、タイ語でパクチー、中国語では香菜（シャンツァイ）とも呼ばれる、最近非常に人気の高いハーブの1種。セリ科コエンドロ属の植物。日本では、南蛮文化が伝わった16世紀にポルトガルから伝わり、そのため和名はポルトガル語のコエンドロといいます。

コリアンダーの語源は古代ギリシャ語で、カメムシを意味する「koris」と、香りの強いアニスの実「Annon」を組み合わせたともいわれていました。原産地は西アジアや地中海沿岸。古代エジプト、ギリシャ、ローマなどでは薬草として重宝され、3000年以上にわたって薬用や食用として栽培されてきたという古い歴史を持っています。聖書や古代インドのサンスクリット語の書物、千夜一夜物語、古代エジプトのパピルスなどにも登場しています。

葉は独特なカメムシに似た強い匂いが特徴ですが、種は甘くさわやかでほのかにスパイシーな香りがあり、若葉はタイやベトナム料理などの、エスニック料理の風味付けに使われます。根も食べることができ、ニンニクと一緒に潰し、調味料として使ったり、スープを取ったりもします。一方種の使い方は様々で、カレーやシチュー、ピクルスやマリネなどに使われ、お菓子やリキュールの香り付けにも使われます。

薬草として重宝されただけあり、ビタミンＣやビタミンＥ、カルシウム、鉄などの栄養素とミネラルを豊富に含み、美肌作りに最適なハーブでもあるのです。また、デトックス効果を秘めており、体内に溜まった重金属の排出にも役立つといわれ、腸内に溜まったガスの排出も促します。ほかにも消化促進、炎症緩和、鎮静効果などがあるといわれ、さらに種は食欲増加の効果もあるほか、すりつぶした種と蜂蜜を混ぜ合わせて、咳止めにも使われます。

2017.05

コリアンダー厚揚げ

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